東証一部への昇格を狙うイベント投資とは

日本の株式投資では、銘柄ごとに、市場がいくつかに分かれています。もっともよく知られているのが、東証一部ではないでしょうか。この東証一部には、金融や製造業など、日本を代表する企業の銘柄が上場しています。この東証一部の下に、東証二部があります。さらには、新興企業が中心のマザーズやジャスダックといった市場も開かれています。また、札幌、名古屋、福岡にも、地場企業を中心として、銘柄が取引されています。
これらの市場のうち、もっとも活発に取引されているのが、東証一部といえそうです。東証一部に上場している銘柄には、国内だけでなく、海外の投資家からも売買の注文が入りやすく、売買代金も大きくなります。この東証一部のうち、日本経済新聞が選定した225銘柄の平均株価を「日経平均株価」といいます。この東証一部に上場している銘柄のうち、日経平均株価の対象となる225銘柄に採用されることで、さらに投資家の注目を集めることができます。なぜなら、個別銘柄以外にも、日経平均株価の採用銘柄全体を対象とした、投資商品も売買されているためです。こうした投資商品のことを、投資信託と呼びますが、投資信託の対象となる銘柄は、それだけ売買も増えることになります。そのため、新たに東証一部に昇格したり、日経平均株価の対象225銘柄に新規採用される場合、その企業の株価が上昇することがあります。これは、そうした銘柄の取引が活発化することを見込んでのことです。こうした新規上場や、日経平均対象銘柄の指定替えを狙った投資を「イベント投資」といいます。
東証一部に新規昇格する銘柄は、東証二部やマザーズの銘柄ですが、東証一部に採用されるためには、株主の数や時価総額などの条件があります。イベント投資で利益を上げている投資家は、業績が好調であり、東証一部昇格への条件を満たすような銘柄を探しています。前もって、こうした有望な銘柄を購入しておき、東証一部への昇格を待つのです。
対照的に、東証一部から東証二部に降格するような場合は、取引が不活発になることが予想され、株価が下落することがあります。最近では、日本を代表する製造業である東芝やシャープが、東証一部から東証二部に降格しました。しかしながら、東芝やシャープは、降格前こそ株価が下落したものの、その後は、持ち直してきています。このように、証券取引所の昇格や降格だけが、株価を決定する要因とはならないことにも注意が必要です。

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